こんばんわ
ブログ投稿が久しぶりになってしまいました。
今回は、時事ネタで
American Botanical Council
第16回年次表彰式典のニュース
についてシェアしていきます✨
American Botanical Council
(以下ABC)とは、アメリカのハーブ系
の教育・情報普及団体(非営利)で、
Mark Blumenthal(マーク・ブルメンタル)
という方が創立されました。
現在、マークさんはエグゼクティブ
ディレクターという役職で在籍しています。
■外部リンク:ABC公式HP
ABCの通常の活動では、
・Herbal Gram(季刊誌)
・Adopt An Herb(各企業・協会・
機関などが担当制で各ハーブの
情報提供)
・Herb Med Pro
(オンラインの検索サーチ)
・Herb Clip(記事・論文)
・無料ウェブセミナー
など、無料のものからサブスクまで、
様々な情報提供をしています。
スポンサーの数もケタ違いで、
大手の企業や団体、大学が協賛しています。
■外部リンク:ABCメンバーシップページ
よくよく見ると、日本ハーブ振興協会
や東大も組織メンバーとして載ってますね。
なかでも年次表彰は、ハーブや植物業界
において著しい貢献をした個人や企業の
功績を称える趣旨のものだそうです。
※以前なら集会形式でやっていたそうですが
COV-19の蔓延を踏まえて、オンラインでの
開催となりました。
今回は6部門、6名の方が表彰されました。
(ハーブ界で功績のある方の名前を冠した
賞の名前になっていますが、個人名は
割愛します)
🌿Botanical Literature Award
日本語だと植物文学賞、
といったところでしょうか。
植物関連で優れた著作を残した方
への表彰部門です。
菌類学者・鍼師・植物学者・研究者
であるChristopher Hobbs(PhD)
(クリストファー・ホッブス)博士が
受賞しました。
ホッブス博士はカリフォルニア大学
バークレー校で博士号を取得、
70年代から進化生物学と植物化学の
研究をしており、
40年以上のハーブ研究のキャリアが
あり、スタンフォード・イエール・
バスタ大・カリフォルニア大バークレー校
などの名門大学で教鞭を執り、
American Herbalists Guild創設に
携わった経歴をもっている方です。
今回受賞の著作は『Christopher Hobbs’s
Medicinal Mushroom : The Essential
Guide』です。
本書は科学・臨床に基づいた論拠を用いながら
一般消費者にもやさしい表現でキノコの
薬効を解説している点で評価された
ようです。
Amazonでもチラ見できますが、
綺麗な写真や絵が盛り込まれており、
ビジュアルにもこだわりが感じられます。
本書は改訂を重ねた第三版です。
日本でハーブやアロマテラピーを
勉強している方からは不思議に思われる
かもしれませんが、キノコは菌類ですが
海外の著作ではハーブと同列で紹介
されるところが多いです。
特に、マイタケ等のβグルカン(炭水化物
で多糖の一種)などは、免疫賦活作用が
あるとしてしばしば紹介されています。
アストラガルスやエゾウコギなどの
強壮根っこ系のハーブと一緒に
スープにするレシピはよく見かける
ような気がします。
また、ハーブとスパイスについても
あまり区別されません。
ニンニクやショウガ、ターメリック
などもハーブの一部として
紹介されることが多いです。
■外部リンク:ホッブス氏のyoutubeチャンネル
「菌活」に興味がある方にとっては
面白いのではないかなーと思います。
🌿Botanical Research Award
(※この写真はイメージです)
こちらは「植物研究賞」と訳せるのでしょうか。
優秀な学術研究に贈られる賞です。
こちらはカナダのブリティッシュ・
コロンビア工科大学の
Paula N Brown(PhD)
(パウラ・ブラウン)博士が受賞されました。
自然健康食品を長年研究されており、
数々の受賞経歴をもっています。
今回は、エキナセアや人参をはじめと
した様々な健康サプリメントの原料研究
について、AOACインターナショナル
(米国の成分解析法)を用いながら、
数多くの分析手法を発表した点が
評価されたようです。
まだ解明されていないことも多く、
用法や安全性の基準が国や研究機関によって
大きく分かれるサプリメントの分野ですが
科学的に解析できる分野が広がったら
いいなとは個人的には思います。
(とはいえ、よく分からないあいまいな
領域もまた、植物療法の魅力だとも思う
のですが…笑)
🌿Research & Education in Botanicals for Women’s Health Award
女性の健康に関する調査や教育活動に
対して贈られる賞です。
Woman’s timeクリニック
の医長で自然療法医師の
Tori Hudson(N.D.)(トリ・ハドソン)
博士が受賞されました。
ハドソン氏は、Institute of Women’s
Health and Integrative Medicine
(女性の健康と統合医療研究所)の
プログラムディレクター、
バスタ大学やNUNM、SCNMなど
複数の著名な代替医療学校の
講師もされています。
数々の賞を受賞しながら、
35年以上にもわたって続けられた
普及・研究活動が評価されたとのことです。
■外部リンク:ハドソン氏のブログ
こちらのブログも色々と発見があり
興味深い記事ばかりです。。
ちなみに、ハドソン先生が立ち上げた
サプリブランド“VITANICA”は婦人系
の不調をサポートするハーブや精油
などが処方されています。
iherbでも買えるので、気になる方は
チェックしてみてください⭐
■外部リンク:iherb
最近何かと話題になるSDGsでも、
女性の社会活躍が目標の一つになっていますね。
私自身も一人の女性として、女性特有
の不調や生きづらさが社会に発信され、
みんなが「自分事」として共有していく
のは、とても勇気が出ることだと感じます😊
🌿Commercial Investment in Phytomedicinal Research Award
SHIは、40年以上もの研究活動のなかで
多くの論文を発表してきた
アダプトゲン製品の先駆的な企業で、
ベストセラーはKan Jangという
製品ラインで、スウェーデンでは
風邪・インフルエンザ薬として
よく飲まれているブランドだそうです。
■外部リンク:
今回は、ロディオラ(イワベンケイ)や
アンドログラフィス(センシンレン)等に
関する科学的根拠に基づいた研究と
臨床調査が評価されたそうです。
SHIはアダプトゲンについて、特に
作用機序(MOA)とアダプトゲン同士の
シナジー効果の2点に着目。
ウィックマン氏は、
ABCから当社への初期のロディオラの
調査に対する評価に感謝しています、
と述べたうえで、
Kan Jang製品への研究に対するABCの
評価があったからこそ、上気道感染症
への有効性が広められました。
今後はCOV-19におけるアダプトゲン
適用についてさらに着目していきます、
と今後の抱負を語っていました。
メンタリストのDaiGoさんも
アダプトゲン解説の動画を出していましたが、
「アダプトゲン」はまだ正式な
医学用語ではありません。
(日本医学会医学用語辞典でリサーチ
してもヒットしませんでした)
「身体・精神的なストレスへの適応力」
といっても、まだまだ一般には
普及しにくい概念だとも感じます。
上記のHPには、アダプトゲンについて
詳しく解説されているページがあります。
今後、アダプトゲンの地位が確立されて
くるのか、「アダプトゲン」という言葉
がどのくらい浸透してくるのかは
私も気になるところです。。
🌿ABC Champion Award
ABCチャンピオン賞は、
金銭的、あるいは献身的なサポート
を通してABCの活動への優れた貢献を
した個人に捧げられる賞です。
こちらは、元FDA(米国食品医薬品局)
の上級薬理学者(senior pharmacologist)
のJerry Cott(PhD)
(ジェリー・コット)博士が受賞しました。
コット博士は神経心理学分野での
薬理学を専門としており、
米国国立精神衛生研究所(NIMH)に
在籍していた経歴をもっています。
ABCでは長年にわたり、様々な精神
心理学関連の出版物の査読者として、
学術的な専門知識を提供してきた実績
が評価され、今回の受賞につながった
ようです。
もとは西洋医学畑の出身で、患者さんへの
より優しい治療法を探すなかで
ハーブに出会ったそうです。
私は西洋医学も代替補完療法も各々の
良さがあると思う一方で、
科学的なエビデンスや安全性などの
観点から、両者に相容れない部分が
ある事実は認めないといけないとも
感じています。両分野の架け橋となる
ような方がこのように脚光を浴びて
いるニュースは希望が持てるように
感じます。
🌿Herbal Community Builder Award
ハーバルコミュニティビルダーということで、
ハーバリスト、研究者、企業など
ハーブ界全体での産業の輪の構築に
貢献した人物に贈られる賞です。
マーク・ブルメンタル氏は、
「(誰もが知っているので)紹介する
までもないですね」
「彼の強く、天井知らずのエナジーが
なければ、今日の米国のハーブ産業
の成功があったかは分からない」
と前置きしながら、受賞者を紹介しました。
AHPAの会長・Michael McGuffin
(マイケル・マクガフィン)氏です。
マクガフィン氏は、99年からAHPAの
会長としてハーブの安全性・規制に関する
普及活動に従事されました。
AHPAとは、
American Herbal Products Association
の略で、米国ハーブ製品協会で、
ハーブに携わる人のなかではかなり
著名な協会です。
日本最大のハーブ関連団体・
日本メディカルハーブ協会の採用する
ハーブの安全性の見解は、AHPAを
もとにしています。
■外用リンク:JAMHAホームページ
こちらはAHPAの安全性ブックの
日本語版です。
値段も高額でずっしりと重たい本
ですが、一生モノの書籍です。
AHPAの活動は日本国内でのハーブに
関する知識の情報源にもなっている
ため、個人的にも今後の動向が気になる
団体です。
今回は、ABCの年次表彰に関する
ポストでした~。
ではでは~~🖐💨
■参考リンク:
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